校長ブログ

2026.2.15

やっぱり人と人

今年度から横浜隼人では、実社会で活躍中のトップ人材をお招きして、主に高校生向けに特別授業を行っていただいている(「キャリア開発講座」といいます)。手始めに、政治、経済、経営、金融、会計、地方創生、データサイエンスなどの分野での授業をお願いしたが、今年の4月からはさらに充実させていく予定だ。

その4月以降に新たに開講しようと思っている分野に「コンピューターサイエンス」がある。先日、その“序章”として、講師を招いて高校1年生を対象に講演会を行ってもらった。この講師、実は僕の友人なのである。簡単にプロフィールを紹介すると、都立高校野球部で初めて甲子園に出場し、その後東大野球部でも活躍、卒業後は大手電機メーカーに就職し、入社後は一貫してスーパーコンピューターのCPU設計に携わり、何と、あの「京」と「富岳」の開発の中心人物として世界一の称号を手にしたという男である。学生時代には、ビールが大好きで宴会で大騒ぎをしていた彼が、そんなにすごい仕事をすることになるとは夢にも思わなかったのだが、今にして思えば、野球部の合宿所では、ビールを飲んでいないときにはひたすら物理の本を開いていたのが印象に残っている。

そんな彼の講演は、途中CPUの仕組みなども出てきて、正直かなりレベルの高いものであったが、高校時代にどんな勉強をしていたか、とか、高校時代の勉強の大事さなどをさりげなく語ってくれて、聴いていた高校生には大いに参考になったことと思う。そして、僕が若者に特に心に刻んでほしかったのは、以下の2点なのだ。

一つは、必ずしも望んだ環境ではなくても、与えられた環境で全力を尽くすことの大切さ。彼の場合、元々物理学者になりたかったとのことだが、大学での成績が芳しくなく希望していた物理学科には進めなかった。また、就職も別にコンピューターにそれほど関心があったわけではない。それでもその場その場でやらなければいけないことに大いに興味を持ち、そして積極的に取り組み、ついには世界一になったのである。

そして二つ目。講演の最後に一枚の写真のスライドと共に述べていたのが、人と人との触れ合いの大事さだ。その写真は、若い頃にアメリカで一緒に働いていた当時の同僚の家族と彼の家族の集合写真なのだが、今もって家族ぐるみの付き合いをしているかけがえのない仲間なのだそうだ。「どんな仕事をする上でも、人と人との繋がりが大事」という言葉で講演を締めくくったのであった。

僕としては、彼に講演をお願いするに当たっては、演算速度で世界一を2度も獲るという国家的偉業を成し遂げた彼が、「最後まで全力で頑張ることの大切さ」みたいなものを語ってくれるものだと思っていたのだが、“人の繋がり”“仲間の大事さ”を最後のメッセージとして残していくとは驚きだった。いや、そうではなく「やっぱりそうだよな」と無性に嬉しくなったのだった。彼は、昔からそういう熱い心を持った、実に魅力的な男なのである。

4月以降に彼にやってもらう特別授業も、今から本当に楽しみだ。

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