校長ブログ

2026.4.23

高校生、そんなに急いで…

4月になって早3週間が過ぎた。入学式が8日だったので、そこから数えてももう2週間。期待と不安の入り混じった面持ちで入学式に臨んでいた新入生も、新しい友人ができつつあるなど、少しは学校に慣れ始めている頃だろうか。各教員も、新しい配置の中でこれも少しずつ仕事が軌道に乗り始めている頃か。

ここら辺りは、昔も今も変わらない光景だろう。昔と今とで大きく変わるのがここから。

最近の教育の現場では、生徒の主体性、課題解決力、コミュニケーション能力など、社会に出た時に身につけておかなければならない行動特性、非認知能力が重要視され、それを意識した活動が展開されている。部活動や学校行事はもちろん、総合的な探究の時間や、通常の各教科の授業でも、こういった能力を伸ばすにはどうしたら良いか、といったことに教員たちは腐心している。そして、自分をよく知り、将来のキャリアまでをも意識させたりする。ご多分に洩れず、横浜隼人でもこれらについては注力しているところだ。

ただ、我が人生を振り返ってみて、高校生の頃にそんなことを意識していたかというと、恥ずかしながらそれは全くない。部活動をやっていた関係で、その中での人間関係やリーダーシップの発揮の仕方などについて悩んだりしたことはあったものの、個人的に悩んでいただけであって、自己理解であったり、将来のキャリアなどについて学校から言われたことなど、これっぽちもない。

だからやらなくていい、ということではなくて、今の高校生は大変だなと思うのである。いや、高校生に限らず、大学生も含めた若者全体に言えることなのだが、大人たちが若者の人生をどんどん急がせているような気がしてならない。大学生の就活の時期は年々早まっていると聞く。高校生も大学受験では年内入試の割合が増えてきている。そうでなくても、高大連携ということで大学と提携して大学での学びを高校生の時に体験する取組みも増えてきている。いずれも、企業や大学の都合によるところが大きいのだろうが、結果的に若者の人生を少しずつ急がせていることに違いはない。

ましてや、高校生のうちに自己理解を深めて、将来の自分のキャリアについて考える、みたいなことは、本当にこの時期に必要なことなのか、時々考えてしまう。ある程度早い時期に人生の目標をしっかりと見定め、そこに向かって一直線に努力を積み重ねていく…決して悪いことではないし、できる人はそうすれば良い。ただ、みんながみんなそうする必要があるのかはよく考えた方が良いのではないか。そこで出した答え~ある意味、未熟な答えである可能性が高い~が全てではないだろうが、なんだか人生の可能性を狭めていっているように思えてならない。

横浜隼人では『キャリア開発講座』と称して、高2生と高3生向けに、企業や大学の先生による特別授業を展開している。目的は、教科書では習わない世の中のダイナミックな動きを知ってもらうこと、理系文系問わず世の中の最先端の動向に興味関心を広く持ってもらうこと、それによって勉強に対するモチベーションをアップさせること、そして人によっては自分のキャリアについての目標を持ってもらうこと、などだ。大人の都合でない、今の高校生の在り方に相応しい取組みとしてバランス良く進めていきたい。このような形で多くの選択肢を提示し、生徒自身がよく考えながら自分のペースで必要なところを選び取っていく、そのペースを尊重しながら、必要な時にそっと背中を押せるような活動にしたいものだ。

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