校長ブログ

2026.10.4

感謝の気持ち

僕は県高野連の仕事も仰せつかっている関係から、春先からここまで結構な頻度で野球場に足を運んでいる。今年の夏は県内12球場だけでなく、県代表として全国大会に出場した学校を応援するために、何度も甲子園まで足を運んだ。

灼熱の太陽の下での野球の試合、熱中症予防の対策が諸々講じられているが、選手もさることながら応援団を含む観客の方々が本当に大変だと思う。野球の場合、攻撃側の応援団が立って応援をし、守備側が座って観ている。即ち、チャンスが続いて攻撃が長くなると、ずっと立って声を出しながら応援を“しなければならない”のだ。応援団の構成は試合によってまちまちで、平日行われる試合では学校の授業の関係で、どうしても保護者の方々の割合が多くなる傾向にある。逆に言えば、保護者の方々はほとんどの試合を観ていることになる。これは、公式戦だけの話ではない。普段の週末に行われる練習試合にも保護者の方々は足を運び、県外に遠征に出る場合でもわざわざ遠方まで息子(とその仲間)の応援に出向くことがほとんどだ。選手も大変だが、その保護者の方々も本当に大変な思いをしながら観戦しているのだなと、甲子園のアルプススタンドを見やりながら、今さらながらのように思った。

話は変わるが、最近の若者は大したものだと思うことの一つに、人前での挨拶やメディアのインタビュー等に対する受け答えが実にしっかりしている、ということがある。僕の高校生の頃のことを思い出しても、とてもあんな風に喋ることはできなかった。その中で、必ず彼ら彼女らが話す内容に、“周囲への感謝”がある。特に両親への感謝は誰もが口にする。それはそうだろう。自分を一番身近で育ててくれて、お金を出して学校に行かせてくれて、いつも弁当を作ってくれて、試合には応援に来てくれて…。感謝の気持ちは尽きないはずだ。

一方で、その両親はどうなのか。上述のように、酷暑の中を大変な思いをしながら試合を観ているわけなのだが、僕はその様子を見ながら、確かに暑くて大変かもしれないが、それも含めて結構楽しんでいるのではないか、と思うのであった。どういうことかと言うと、息子が野球をやっているお陰で、自身の人生の一部分がとても豊かに過ごせているのではないか、と思うのである。応援歌に合わせて大声を上げたり、生徒と一緒に振りをやってみたり、傍で見ていて、実に楽しそうなのである。つまり、息子が親に感謝している以上に、野球部の生徒の親は息子に感謝すべきなのではないかと思うのだ。いや、言うまでもなく、十分に感謝しているに違いない。息子のお陰で、同年代の普通の親では味わうことができない、豊かで楽しい時間を過ごせているのだから。感謝の気持ちは子から親への一方通行ではなく、“お互い様”なのだ!

親は子への感謝の気持ちを“世の中に発信する場”がないのかもしれないが、では子に対して感謝の気持ちを直接伝えているか!?僕には3人の子供がいるが(いずれも既に社会人です)、この子供たちのお陰で実に楽しく豊かな時間を過ごさせてもらった。しかし、その気持ちは伝えたことはない。それは見本を見せるべき大人の態度としてどうなのか…

アルプススタンドの保護者たちをみながら、そんなことを考えていたのだった…

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